去る5月8日(土)、UAE日本文化センターはUAE在留邦人を対象とした「バスタキア地区ウォーキングツアー」を開催しました。
(バスタキア地区とは・・・Bur Dubaiに位置する歴史的建造物を保護している遺産地区)
夏の到来を感じさせる日差しの下、子供さん9名を含む、総勢47名で午後4時、ツアーはスタートしました。今回はドバイ市庁建築遺産局からワリッド・ナビール・アハメドさんをメインガイドとしてお招きし、また、日本への留学経験を持つUAE人建築家アハメド・ブカシュさんが同行、更には当センターからの日本語通訳付で解説が進められました。
一行は狭い路地を連なって歩きながら、「どうしてアラブの家のドアには常に小さいドアが併設されているのか」などといった疑問が、ワリッドさんによって解りやすく解説されていきました。修復・保存された過去の建築物は現在、レストランやギャラリー、更にはホテルなど、様々な用途で活用されているとのことでした。ちなみに当時の建物は、主にナツメヤシの葉で造られた「バラスティ」と呼ばれるタイプのものと、珊瑚や貝の混じった石造のタイプに分けられるそうです。
細い路地を吹き抜ける風を受けながら更に進むと、1800年代に構築されたといわれる「Old Wall of Dubai」に出会いました。この壁は当時のドバイの防御壁の一部で、2001年に発掘されたということでしたが、長くドバイを知る老人の「ここを掘って見なさい」という一言から発見されたというから驚きです。
続いて訪れた「Architectural Heritage Society(建築遺産協会)」では、建物中央に位置するCourtyard(中庭)に集まり、当時の建築物に使われた建材について、参加者はそれらのサンプルに実際に触れながら説明を受けました。インドやアフリカから運ばれてきた材木や、UAEで採掘された石こう、ナツメヤシの葉などが使われ、シンプルかつ実用的な建築の様子を伺い知ることができました。
また同じく過去の建築物を修復し、今は「Coin Museum(コイン博物館)」となった建物では、近隣各地から集められ、時代ごとに展示された大量の硬貨のコレクションを見ながらコインの歴史を学んだ他、建物の2階(当地でいう1階)に上がれば、普段我々が街中で目にしているドバイの空とはまた一味違った風景を目にすることができました。
最後には、本来一般公開していない「Architectural Heritage Department(ドバイ市庁建築遺産局)」も当局のご好意で見学させていただき、当時のCourtyardを忠実に再現した様子を見た後、上階に上がってドバイクリークの活気に溢れる景色を一望することが出来ました。参加者の皆さんはクリークを渡る爽やかな風に、1時間半に渡ったウォーキングの疲れを束の間癒されている様子でした。
ツアーの締めくくりとして、「Dar Al Nadwa(当局所有の会議場兼展示場)」に場所を移し、ドバイの歴史的建築物についてのDVDを視聴した後には、活発な質疑応答が繰り広げられました。参加者からの質問は建築のみに留まらず、「エマラティの人たちは家の中ではどんな服装をしているの?」「主食はお米ですか、パンですか?」などといった、UAE文化、生活など多岐に渡ったものとなり、皆さんのUAEの人々への関心の高さが実感されました。
暑い中、このたびのツアーにご参加いただいた皆様には、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。また、人数調整のため、或いはご都合が合わずに残念ながらご参加頂けなかった皆様には、是非次回の当センター主催イベントでお目にかかれることを、ボランティアスタッフ一同、楽しみにお待ち申し上げております。
(文章:平河妙子)
Wednesday, June 2, 2010
bastakiya
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